まるはちふくれ菓子店は1990年の創業。私たち孫の世代で3代目になります。そのはじまりは、ばあちゃん。ふくれ菓子をつくるのがとても上手で友人宅への手土産に提げて行くのが十八番でした。それがおいしいと評判になり、ぜひ売ってほしいという声まで届くようになります。そこでばあちゃんは夢を膨らませ、思い切ってお店を出すことにしたのです。「まるはち」という屋号は、ばあちゃんが大好きだったじいちゃん「米丸祐八」の名前からとりました。
釜に入れ、蒸気がもおっと上がってくれば、おいしいふくれのできあがり。その釜のなかで大きくふくれたふくれの表面が割れることを「花が咲く」と言います。ふわふわ、おいしく蒸しあがりましたよというサイン。ばあちゃんはいつも、釜に向かって「ふくふく、ふくれ。ふっくら、ふくれ」と呪文を唱えていました。